宗嘉の和菓子:藤の花

 

ほろほろと風にこぼれる藤の花。
薄紫の美しい花が、雫の滴るがごとく咲いています。古の佳人を偲ばせるその印象的な形。

 藤の花弁は、外側は薄く儚げ。
ですが芯はしっかりとした紫色。
そんな佳人を宗嘉は、和菓子用の針を用いて一つひとつ表現しました。

 風に揺れる藤の花。
花は儚げでありますが、蔓はしっかりと大地からその肢を延ばし、しなやかに逞しくしたたかに、陽の光を捉えます。

 儚げで、しなやかで、したたかで…
こんな女性にいつの世も男性は魅了されてしまうのでしょう。かの光源氏も。

 古の佳人と男子の禁断の恋の味。藤の花。





2021年05月02日